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2016.01.24
「マンション節税」防止 高層階、相続税の評価額上げ

総務省と国税庁は2018年にも、価格の割に相続税が安くて済む高層マンションを節税目的で購入する動きに歯止めをかける検討に入った。現在は階層や購入価格にかかわらず一律となっている相続税の「評価額」を高層階に行くほど引き上げ、節税効果を薄める。高層階の物件は税負担が重くなる一方で、低層階を中心に負担が軽くなる人も出てきそうだ。
マンションなどの相続税を計算する際の基準になる総務省令の改正案を今秋にもまとめ、与党の税制調査会で議論する。早ければ17年に省令を改正し、18年1月から実施する見通しだ。

 今回の見直しで、評価額に対し毎年1.4%の税率がかかる固定資産税も、高層階の税負担が増える見込みだ。

 大都市圏で増える「タワーマンション」と呼ばれる超高層マンションは、眺望がよい高層階に行くほど価格が高い。同じ面積でも、低層階の数倍になることもある。
ところがこうした高層マンションでは、相続税の算定基準となる「評価額」は階層や日当たりなどの条件によって差がつかず一律だ。マンション1棟の評価額を各戸の所有者がそれぞれの床面積で「均等」に分割しているからだ。

 国税庁が全国の20階以上の住戸343物件を調べたところ、評価額は平均すると市場価格の3分の1にとどまっていた。

 この結果、超高層の部屋を買えば現金で相続する場合よりも相続税を減らせることが多い。例えば現金1億円を相続すれば、財産額から差し引ける非課税枠(基礎控除)などを考慮しない単純計算の場合で税率30%相当、3000万円の税金がかかる。

 一方、1億円で高層マンションを買えば課税上の評価額が数分の1ほどに小さくなる。評価額が3000万円なら相続税は15%相当の450万円で済む。

 15年1月から相続税が引き上げられたことで、「タワマン節税」の人気が高まった。専門家の間では「一部の資産家しか使えないような節税策は規制すべきだ」といった声も出ていた。

 総務省と国税庁は実際の物件価格に合わせ、階によって評価額を増減するよう計算方法を見直す。具体的な増減幅は今後詰める。高層マンションの20階は1階の10%増し、30階は20%増しといったかたちで一定の補正を行う案が有力だ。

 例えば、市場価格1億円の高層マンションを相続すると、3000万円だった評価額が省令改正で4000万円に上がるケースも考えられる。これまで3000万円に税率15%をかけた450万円の税負担で済んだものが4000万円に20%をかけた800万円に増える。

 高層階の税負担を大幅に増やすと購入を手控える動きが強まり、マンション市場を冷え込ませる恐れもある。総務省と国税庁は市場への影響も慎重に考慮しながら、税の引き上げ幅を慎重に検討する。

日本経済新聞より抜粋